D&D 5th edition Player's Handbook2014/09/02

D&D 5th edition Player's Handbook

初回出荷には間に合わなかったけど、今回は珍しくAmazonが良い仕事をして結構早く届いた。

Basic Ruleと同じ版なので被るところもあるけどPlaytest版からの変更点のおさらいなど

ルールシステム

  • クリティカルヒットはその攻撃で使用するダメージダイスを全て2回振って合計する。固定値のボーナスは倍にならない
  • 突撃は専用の特技を取得した場合にのみ使用できる特別なアクションになった
  • 撤退アクションはそのターンの間機会攻撃の発生を抑制する

ボーナスアクション

各ラウンドに各クリーチャーに与えられるアクションとリアクション各1つの他に何らかの行動を許す効果が「ボーナスアクション」のルール用語で定義された。 各クリーチャーは各ラウンドに1回のみボーナスアクションを得ることができる。

攻撃回数を増やす系の特徴や効果はそれが元のアクションの一部として増える(前衛系の複数回攻撃など)のか、ボーナスアクションとして攻撃ができる(その他の殆ど)のかには注意が必要。

クラス

バーバリアン

  • 再び激怒中に物理ダメージへの耐性がつくようになった
  • クリティカルヒット時に振るダイスが増える
  • 昔ファイターに設定されていたHPが0になった際にセーヴに耐えるとHP1で食いしばる能力が追加
  • アーキタイプは「バーサーカー」と「トーテムウォーリア」
  • バーサーカーは激怒中にボーナスアクションとして追加攻撃を得るが、激怒の終了時のペナルティが負のレベルにまで増える
  • トーテムウォーリアは熊、鷲、狼いずれかの祖霊の力を得る。プレイテストより祖霊の種類が減った

バード

  • クレリックやウィザード同様9レベル呪文を覚えるフルキャスターになった。呪文リストは相変わらずしょっぱい。ヘイストもフライも無くなった……。
  • 呪芸は劇的に弱体化。伝統のいわゆる勇気鼓舞の呪芸が無い。その代わり起動はボーナスアクション
  • アーキタイプは「伝承の学院」と「勇気の学院」
  • 伝承の学院は呪芸と魔法能力を強化。任意のクラスの呪文リストからボーナス呪文を取得する特徴などがある
  • 勇気の学院は軍用武器への習熟と複数回攻撃
  • なんかクレリックの変種っぽい立ち位置になりそう

クレリック

  • 領域は知識、生命、光、自然、嵐、騙し、戦の7つ。ウィザードについでアーキタイプ数が多い
  • 聖カスパートのクレリックの推奨領域が知識なのが吹く

ドルイド

  • 自然の化身が2レベル時から2回/休息で使えるようになったが、変身先の動物にレベルキャップが設定された。
  • アーキタイプは「大地のサークル」と「月のサークル」
  • 大地のサークルは呪文能力の強化。クレリックの領域相当の追加呪文とウィザード相当の呪文スロット回復能力など
  • 月のサークルは自然の化身の強化。自然の化身の使用がボーナスアクションになり、変身先の動物の選択肢が大幅に強化される。レベルによりエレメンタルにも変身できるように

ファイター

  • 底力の起動がボーナスアクションになった
  • アーキタイプは「チャンピオン」「バトルマスター」「エルドリッチナイト」
  • チャンピオンは武器のクリティカル可能域が広がる
  • バトルマスターは各種戦技を獲得する。直前のプレイテスト版より戦技の種類が増えた。プレイテスト中に消えた戦技がだいたい全部揃った感じ。一方で、戦技の使用回数である卓越ダイスが休憩を完了する以外の方法では回復しなくなったり、戦技の成否は相手のセーヴの結果によるようになった。
  • エルドリッチナイトは4レベルまでのウィザード呪文を限定的に取得する魔法剣士。序盤は無双できそうだけど、中盤以降の伸びしろがあまり無い気がする

モンク

  • 攻撃アクションを取った際にボーナスアクションとして1回の素手攻撃を行なう事ができる。連打は1気ポイントを消費して、このボーナスアクションを2回の素手攻撃に交換する能力になった
  • アーキタイプは「開かれた手の道」「影の道」「四大精霊の道」
  • 開かれた手の道は伝統的なモンク。連打の追加攻撃が命中すると自動で足払いや押しやりが発動したりする
  • 影の道は、気ポイントを使用して影っぽい呪文を発動したり、影から影へテレポートしたり
  • 四大精霊の道は、一覧からクラス特徴を選択するスタイルになった

パラディン

  • 仲間に魅了や恐怖への完全耐性を与えるとか、全てのセーヴへのボーナスなど、オーラの防御効果が著しく強化されている。仲間に居ると安心。敵に居たら真っ先に殺るべき。
  • 一方で神性感知(ディテクトイーヴルっぽい能力)に使用回数制限がついた。神性感知は結構でたらめにいろいろ感知するからかも
  • アーキタイプは「献身の誓い」「太古の誓い」「復讐の誓い」
  • 献身の誓いは伝統的なパラディン。アンデッドやフィーンドが得意
  • 太古の誓いはドルイド的に自然や祖霊を大事にする人
  • 復讐の誓いはアヴェンジャー的ななにか。生きているクリーチャーが得意

レンジャー

  • 任意発動術者になった。相変わらず焦点具の設定は無いけど、セーヴDCなどに習熟ボーナスは足せるようになった
  • 「得意な敵」は3版時代と同じようにクリーチャー種別を選択するが、追跡や発見、知識判定に関わる能力値判定に優位が得られるだけの特徴になった
  • アーキタイプ特徴の名称は「レンジャーアーキタイプ」になった
  • アーキタイプは「ハンター」と「ビーストマスター」
  • ハンターはプレイテスト時のアーキタイプが全て統合された感じでレベルごとにいくつかの選択肢から攻撃特徴や防御特徴を選択する。どの特徴も前のめりで格好いい
  • ビーストマスターは動物の相棒を得て一緒に戦う。相棒はそれ程強くもないけど、喪失時のペナルティが軽いので使い捨てで心が痛まないなら、あるいは

ローグ

  • 急所攻撃のダイスが3版時のレートに戻り、最大10d6
  • アーキタイプは「シーフ」「アサシン」「アーケイントリックスター」
  • シーフは伝統的なローグ。プレイテスト時に較べると解読のクラス特徴が無くなった
  • アサシンはアサシン。不意打ちラウンド中の攻撃が自動クリティカル!
  • アーケイントリックスターは4レベルまでのウィザード呪文を取得する。メイジハンド呪文で遠隔スリとか遠隔罠解除ができたり、隠れ身から呪文を使うと相手のセーヴに不利を与えたりできるので、エルドリッチナイトよりは夢が見れる

ソーサラー

  • 任意発動術者の代表のはずだが、呪文スロットはウィザード、クレリック(バードやドルイドも)と同じ数しかないし、取得呪文数もバードよりだいぶ少ない。
  • ソーサリーポイントを得てこれを使用して追加で呪文を使用したりできる。逆に呪文スロットを犠牲にポイントを回復することも可能
  • 呪文操作はソーサラーのクラス特徴になった。ソーサリーポイントを使用して色々できる
  • アーキタイプは「血脈」か「ワイルドマジック」、血脈の例として収載されているのは「ドラゴンの血脈」のみ
  • ドラゴンの血脈は祖先のドラゴンの色に対応した属性への耐性を得たり、対応する属性の呪文のダメージにボーナスなど。レベルが上昇すると羽が生えたりもする
  • ワイルドマジックは1レベル以上の呪文を発動する度に1/20の確率で怪しいサイドエフェクトが発生するようになる。「あなたは1分間喋れなくなり、喋ろうとすると口からピンクの泡が溢れる」とか、謎生物が召喚されるとか、追加で発動された呪文がランダムな目標にかかるなど。あと、相手の運に介入して判定結果を多少操作したりもできるようになる
  • なんにせよ取得呪文数がありえなく少ないので、実際組んでみないと何ができるのか(できないのか)判らない

ウォーロック

  • 説明が難しいけど、面白くてそれなりに強い素敵クラス
  • 限定的にではあるが9レベル呪文まで取得する
  • 5レベル呪文までは任意発動術者として取得する
  • 取得数はソーサラーと同等だが対象が5レベル呪文までなので、9レベルまでの総数ではウォーロックの方が多い
  • 使用回数は最大でも4回/日。ただし常にそのレベル時点での最大の呪文スロットから発動した扱い(加えて6〜9レベル呪文が各1回/日)
  • 呪文とは別にインヴォケーションも取得する。内容は3.5eのそれと近いが、高レベル呪文をエミュレートするものは1日1回の回数制限がついた
  • 「鎖の契約」「刃の契約」「本の契約」のいずれかを選択
  • 鎖の契約は使い魔を得る。通常のファインドファミリアよりも選択肢が広い
  • 刃の契約は契約武器を異次元から召喚したり収めたり。契約武器自体は魔法の武器扱いでDRが抜けるぐらいだが、専用のインヴォケーションで物理戦闘力を強化できる
  • 本の契約は任意のクラスの初級魔術を3つ追加で取得。専用のインヴォケーションを取得すると任意のクラスの「儀式」タグを持つ呪文を記録(取得)できるようになる
  • アーキタイプは外方世界のパトロンを選択。クレリックの領域相当の追加呪文と各種特徴を貰える

ウィザード

  • プレイテスト時よりは多少増えたけれど、準備できる呪文数がやはり少ない(ソーサラーの取得呪文数よりは多いのだが……)
  • アーキタイプである系統が3版系の8系統揃った

戦闘スタイル

  • ファイター、パラディン、レンジャーに共通するクラス特徴だが、クラスごとに選択肢に差ができた。
  • ファイターは弓術(遠隔攻撃の命中にボーナス)、防御(ACにボーナス)、決闘(近接片手武器のダメージにボーナス)、大業物(両手近接武器のダメージ強化)、守護(隣接する仲間をカバー)、二刀流の全てを選択できる
  • パラディンのリストには弓術と二刀流が無い
  • レンジャーのリストには大業物と守護が無い

ウォーロックとレンジャーが面白そうだ。