Advanced Class Guide Playtest2013/11/21

事前の情報どおり、既存のクラスを混ぜて新しいクラスを作成する本であるらしい。 プレイテストはそうして作成されたクラスがいくつも収録されている。 これらのクラスは混ぜられた(と主張する)クラスの両方についてオルタネイティブクラスと見なされ、相互にマルチクラスの対象とすることができないという制限がある。 (キャバリアとサムライのような関係)

収録されたクラスは以下のとおり

アーケイニスト

ウィザード+ソーサラー

Nextのメイジのように毎朝呪文書から呪文を準備していくものの、呪文スロットとの紐付けは実際に呪文を発動する際に行なうタイプ。 呪文スロット数はソーサラーの各レベル-1、毎日準備できる呪文の種類はソーサラーの呪文取得数に等しい。 呪文修正特技の適用はウィザードのように準備する際に適用した状態で準備してもよいし、ソーサラーのように発動時に追加してもよい。 また、両方を組み合わせる事もできる。 発動時に追加した場合はソーサラーと同様発動時間が伸びる。 ウィザードのスクールやソーサラーの血脈の力も使用できるが使用回数は少ない。

ウィザードもソーサラーも強いクラスなので順当に中間を取ったこのクラスも強いとは思うけど特色は弱い気がする。

ブラッドレイジャー

バーバリアン+ソーサラー

パスファインダーでは初となる、BABが良好な秘術使い。 呪文使用能力はレンジャーやパラディンと同様4レベルまで。 基準能力値は【魅】で、呪文リストはメイガスと同じ。 ブラッドレイジャー呪文は激怒中でも使用可能。

バーバリアンから引いた能力が、

  • ヒットダイスがd12からd10に減少
  • 激怒パワーの取得数が半分かつ1レベル時に選択した血脈により全て確定して選択肢が狭い

得る能力が

  • 前述の呪文使用能力
  • 血脈からのボーナス特技
  • 血脈からの激怒パワー

で、そもそも増えてる方が多い感じがする上に、血脈からの激怒パワーがどれもインチキ臭く強い。

おそらく今回の最強クラス。製品版までには弱体化対応が入ると思われる。

ブロウラー

ファイター+モンク

BABが良好で、モンクの素手攻撃関連の能力(連打っぽいものやDRの貫通能力を含む)を得る。 が、命中を向上させるクラス能力(具体的には武器訓練)が無いので結局命中で苦労すると思われる。 鎧の習熟は軽装までだが、中装以上の鎧、盾を所持した場合に失うのは微妙な量のACボーナスぐらいなので、多分鎧を着た方が捗る。 20レベルのふっとばし攻撃(Awesome Blow)は自分のサイズ以下の対象のみの制限があるので実質死に能力になるだろう。

カンフー映画とかケンシロウ的な素手戦士はみんなの浪漫なのだけれど、結局のところ命中が稼げない前衛職に立ち位置は無いんだよなあ。 多分ファイターアーキタイプのBrawler(喧嘩屋)の方がイケてる。

ハンター

ドルイド+レンジャー

足した後で割る時の分母を3ぐらいにしてしまっているような気が……。 標準のBABに6レベルまでの呪文能力(バード等と同じ、呪文リストはドルイド) 動物の相棒はドルイドと同様だが、自然の化身の代わりに貰えるAnimal Focusは肉体能力値1つに+2~+6の強化ボーナスとか技能1つに+4~+8の状況ボーナスなどかなりしょっぱい。 レンジャー成分は追跡ぐらい。何故かチームワーク特技が降ってくるけど、その他のドルイド/レンジャー能力はほぼ無い。

今回随一の残念クラス。何がしたいのかも判らない。

(追記) 公式フォーラムの開発チームからのコメントでは以下のアップデートが予定されているらしい。

  • 製品版ではハンター向けのすげー素敵なチームワーク特技が追加されるんで期待しとけ
  • Animal Focusは多分変更する。具体的にはボーナス種別の変更(やっぱりベルトと累積しないのはしょっぱいよね)とか使用回数とか
  • 武器防具の習熟等についてはレンジャーっぽい方に寄せる

インヴェスティゲイター

アルケミスト+ローグ

アルケミスト成分はエキスと毒(毒の使用と抵抗)ぐらいで変異薬と爆弾は覚えない。 ローグ成分は急所攻撃の取得がやや遅い(4レベルから、成長速度は1d6/2レベルで通常どおり)のと身かわし系の能力が無いぐらい。 追加で、技能判定に後からダイスを振り足せる能力も持っている。

ローグの対応力が大幅に上昇するのでかなり好みのクラス。

シャーマン

オラクル+ウィッチ

オラクル成分がどの辺にあるのかが、いまひとつ不明。 クレリック呪文をウィッチと同様に使い魔を介して準備、使用する。 1レベル時に選択した守護霊の種類で追加呪文や呪い、守護霊の特殊能力の種類が決まる。 回数限定で準備した呪文を守護霊の追加呪文に変換する任意発動能力もある。

守護霊の種類であたりはずれがあるけど、回復役を期待されない信仰術者枠としてはかなり優秀。

スカルド

バード+バーバリアン

とは言うものの自身のバーバリアン成分はほぼゼロ。 一切の呪芸を覚えない代わりに、味方を激怒状態に引き入れる歌を獲得する。 1レベルの時点ではレイジ呪文ぐらいの効果だけど、最終的にはバーバリアンの大激怒相当で激怒パワーも付与できるようになる。 あとは普通のバードと同じ。

Raging Song能力は強いけど仲間を選ぶ。具体的にはバーバリアンが涙目。

スレイヤー

レンジャー+ローグ

ヒットダイスがd8である他はかなり理想的な前衛職。野外活動も割と得意。呪文能力は無い。 移動アクションで相手を観察する事でそのクセを見抜き、レンジャーの得意な敵のようなボーナス(1レベル時点で+1、5レベルと以降5レベルごとに+1)を得る得意な標的能力(学習はレベルで即行アクションに短縮、一度学習すると意図的に忘れるまで有効)と3レベルごとに1d6の急所攻撃が主要能力。 ローグの技とレンジャーのクラス能力をあわせたようなリストから選択するスレイヤーの技を偶数レベルごとに取得する。 20レベル奥義は得意な標的を一撃で葬る必殺剣。

普通に強い。ヒットダイスがd8である点以外に欠点らしい欠点が見当たらない。

(追記)公式アップデートでヒットダイスがd10に変更された。

スワッシュバックラー

ファイター+ガンスリンガー

ガンスリンガー成分は気概と発露ぐらいで銃は扱えない。ちなみに気概に相当するのはpanacheという別用語が使用されている。【魅】ベースの能力で、気概と互換性があるという記述はない。 ボーナスの上昇がやや遅いけど武器訓練も残っている(代わりに5レベルで《クリティカル強化》相当のボーナスがつく)し、鎧訓練の代わりにACへの回避ボーナスがついたりするので、普通にファイターの仕事ができる。 鎧は軽装、盾もバックラーまで習熟している。現在の記述では、中装以上の鎧、盾を持っても失なわれる能力はほぼ無い。(多分アップデート対象になるだろう)

デュエリストってなんだっけ?

(追記)公式アップデートで、panacheは特技その他の前提や効果について気概と互換である事になった。

ウォープリースト

クレリック+ファイター

ハンターの次ぐらいの残念クラス。 BABは標準、呪文能力は6レベルまで、呪文リストはクレリック。 キュア呪文の任意発動はありだけど、領域呪文は無し。 エネルギー放出はありだけど上昇は3レベルに1d6。 やる気が見えない……。

追加の能力としては、

  • 3レベルごとにボーナス戦闘特技が貰える。
  • 5レベルから、武器と絆を結んだパラディンのように武器を強化することができる。が、選択したプロパティは1日の間変更できないという謎の制限が……。 持続時間もクラスレベルにつき1ラウンドとこの種の能力の中では最も短かい部類。
  • 8レベルから同様に鎧も強化できる。こっちもプロパティの選択は1日に1回だけだが、持続時間はレベルごとに1分。
  • 領域の代わりにBlessingという能力を得る。善や戦、治癒、死といった領域と同様の選択肢から2つ選んで能力を得る。

Blessingの能力は結構強弱の差が激しい。 一般に呪文の効果をエミュレートする能力は強く、攻撃ロールやダメージ、ACを増強する効果は弱い傾向があるようだ。 結果として解放や旅といったあまり「ウォー」プリーストっぽくない領域の能力が強く、戦など「ウォー」っぽい領域は弱い。

これならインクィジターやるわ。