D&D Next Playtest Final version2013/09/26

ようやく目を通した。
大筋で8月版の方針を継承しているっぽい。
これがファイナルベータになるってのは、ちと釈然としないものがある。

マルチクラスのルールが初登場。
基本的には3版系のマルチクラスと同じイメージで、レベルアップ時に新しいクラスのレベルを選択して積むシステム。
攻撃回数の追加や、呪文使用能力のように複数のクラスで同様の能力が得られる場合には特別なルールが適用される。
各クラスを1レベルずつ取得するとかの最適化という名目のズルを封じる方向の記述だけど、能力ごとに特記されるので、今回の版で追加された能力などで記述が漏れているものもある。
今後に不安が残る方向性だ。
攻撃ボーナス(今回の版では技能などとあわせて習熟ボーナスと名前が変更された)がマルチクラス時には累計レベルで計算される事になった関係だと思われるが、全てのクラスで同じ値になった。
8月版で言うとファイターの値に統一されているので、攻撃はやや当たりやすくなった感じだ。
あと「1レベル時のHPはダイスの最大値」ルールがマルチクラス時の2つ目以降のクラスにも適用されるというのは怪しい最適化が捗りそうで不安がある。

種族はノーム、ハーフエルフ、ハーフオーク、ドラゴンボーン、ドロウ、ケンダー、ティーフリング、ウォーフォージドが追加
ノームはIntが良好な種族に先祖返りした。
ハーフオークは現状唯一の1レベルでStr18が狙える種族。
あとの種族はだいたい名前から想像されるとおり。

クラスはバードが追加された。
ちゃんと検証していないけど、自分でも殴れるクラスになっているのでわりと優秀だと思う。
今回の版では技能のルールが大きく変更され、技能に習熟しているだけではあまりボーナスが貰えなくなったので、技能判定に大きなボーナスの貰えるクラス(バードとローグだけだ!)が活躍できる局面も増えるはず。
呪文リストは相変わらずお察しくださいという感じだけどな。

既存クラスは8月版から大きくイメージが変更されたものは無さげ。
バーバリアンの激怒から(ようやく)物理ダメージへの耐性が無くなった(激怒中のスタミナ上昇のフューチャーは一時的HPに変更された)
クレリックの能力から複数回攻撃が無くなった(その代わりに昔の版のように高レベルでは追加ダメージが乗る)
ファイターの底力が回復量としては大幅に減少、効果が一時的HPに変更された
パラディンの「一撃」(名前は少し変わってDivine Smiteになった)がチャネルディヴィニティから独立した能力になり、呪文スロットを消費して撃つようになった
モンクの連撃が気ポイントを消費しなくなった(追加で気ポイントを消費して更に攻撃回数を増やす事はできる)
あたりの他は取得レベルの変更や、技能システムや他の関連システムの変更に伴なう記述の修正ぐらい?

技能は習熟ボーナスがレベルで上昇するようになったが、値自体が以前の版に較べて極端に小さくなっているので、技能を取得しているだけではあまり安心できなくなった。
ローグのクラス能力のExpertiseは判定時にダイスを振り足す能力ではなく、事前に選択した技能への固定値のボーナスになった。
バードも同名の能力を持っている。
技能判定についてはこの2クラスが圧倒的に強いはず。

特技はほぼ変更なし。

呪文は良く見てないけど、バード呪文の追加が最大の変更点ぽい。

その他のルールだと、クリティカルヒットの処理が「ダメージダイスを一つ振り足す」から、「通常のダメージを最大化した上でダメージダイスを一つ振り足す」に変更された。
まあ、以前のルールはあまりにショボかったからな……。

あわせてグレートソードのダメージが2d6に変更されているので、
・グレートソード 通常2d6 クリティカル12+1d6
・グレートアックス 通常1d12 クリティカル12+1d12
4版と違って命中修正は同じなので、この差は無視できないぐらいに大きい気がする。

Mythic Adventure2013/09/26

伝説的なキャラクターの冒険を扱うルールブック。
3/3.5eのエピックレベルとは異なり、通常のキャラクターレベルとは別にミスティック・パスと呼ばれる(4版の伝説の道とか神話の宿命のような)追加クラスを得るルールになっている。
あるいは、3eのDivine Rankのようなものか。

ミスティック・パスは
アークメイジ:秘術使い
チャンピオン:撃破役系戦士
ガーディアン:防衛役系戦士
ハイエロファント:信仰使い
マーシャル:指揮役
トリックスター:技能系
の6つ各10ランクまでの成長表が用意されている。
ランクは通常の経験値ではなく、試練(Trial)をクリアする事で上昇していく。

ランクアップ時には毎ランク特殊能力(ランクごとに固有の能力とリストから選択するものそれぞれ)を取得し、奇数ランクで特技を取得、偶数ランクで能力値が2点上昇と結構判りやすく強くなる。
ランクアップ時に得られる特殊能力のリストは、共通のものと各パス固有のものがあるが、10ランク到達時に得られる奥義以外は、マルチクラス特技を取得することで自由に選択できるようになるので、メイガスとか中途半端なクラスも安心。
自動で取得する能力は止血判定に自動成功するとか、各種判定に割り込みアクションでダイスを振り足すとかそんな感じ。
最終的には「不死」と題した能力(実際には自動復活)が手に入るが、とどめの一撃を貰うと普通に死ぬらしい。なんだそれ使えねえ。

ミスティック・パス取得時及びランクアップ時にミスティック・パワーポイントと呼ばれるポイントのプールを獲得する。
多くのミスティック能力は起動する為にこのポイントを消費する必要がある。
また、起動自体にはコストがかからない場合でも、追加でポイントを消費することで効果を高める事ができる場合もある。

特技はミスティック・パスをマルチする為のもののように特殊なものを除けば、既存のルールブックに記載されたものと同名で[mythic]のキーワードがついたものが殆どだ。
これらは、同名の通常特技を前提に持ち、それらの効果を増幅するものになっている。
《強打》であればダメージボーナスの倍率が上昇するし、ミスティック・パワーポイントを追加で消費するとしばらくの間命中へのペナルティを無視できるようになる。

呪文も特技と同様に、既存の呪文の強化版となっている。
これらはランクアップ時に得るパス能力(かミスティック呪文取得の特技)の選択肢として取得するもので、取得数も極めて少ない。(パスのランクごとに1つ)
ミスティック呪文として発動するためには、発動する際にミスティック・パワーポイントを消費する必要がある。
(逆に、呪文を準備する段階では通常のバージョンかミスティック呪文かを選択しておく必要はない)
ミスティック呪文は通常の呪文より効果が高く、ダメージ呪文ではダイスタイプが1つ~2つ大きくなり(ファイアボールは10d10)、非ミスティッククリーチャーはSTを2回振らなくてはならない。
キュア呪文はおよそ通常の倍ぐらいのHPを治療する。
呪文によっては追加のミスティック・パワーポイントを消費する事でより特徴的な強化を行なう事ができるものも存在する。
強化されたミスティック・ディメンジョンドアは術者が通過した跡にしばらくポータルが残り、後程再利用することができる。

純粋な新呪文はミスティック・パワーポイントをやりとりするとか、非ミスティッククリーチャーにミスティック・ランクを与えるとか特殊なものぐらいか。

マジックアイテムはミスティック・ベイン以外に非ミスティッククリーチャーが持って嬉しいアイテムは無さげ。

クリーチャーは読んでない。